取材篇-ブリガンディ3 ブリガンディの飛竜になった者はワタシの二番目の娘です。こちらの娘をこれから紹介しましょう。 娘の名前をハルコードといいます。この子はとても大人しくて、ご飯の時間になってもぼーっとしている子… 取材 短編連作
取材篇-ブリガンディ2 ブリガンディがテニエスの子、だと紹介しましたね。次は彼の出生について話しましょう。 この親子はよく似ている、とワタシが何回か言っています。それは人に化けた姿のみを指していません。獣の姿もで… 取材 短編連作
取材篇-ブリガンディ1 我らの素性をお話するのでしたね。ワタシは気前がよいので、なんでも話してあげましょう。これはワタシが適任だと思いますよ。数多くの魔障を見てきた饒舌な者といえばまずこのワタシでしょうから。 で… 取材 短編連作
短編-縁日の夜 「さ、もどろうか」 父が拓馬の手を引いた。神社のおまいりにいくこと、それがひとつめの目的だ。その後は道中に遠目で見ていた出店を、ふたたびながめる。そして拓馬とその姉が気に入る店へ立ち寄って、… 拓馬 短編
短縮版拓馬篇の事情 急な思いつきでやりました。6月の予定では別の投稿をするつもりでした。ただ、拓馬篇の簡略化は以前から考えていたことです。さすがに30万字は長いです。普通の文庫本で一冊10万字前後が相場です。野… 後書き
短縮拓馬篇-6章6 ★ 休み明けの放課後、拓馬は数人のクラスメイトとともに空き教室へ移動した。集合目的はヤマダによる大男捕獲作戦の聴講。同席者にはヤマダが協力を打診した須坂もいる。彼女はとくにゴネることなく、あっ… 短縮版拓馬 長編拓馬
短縮拓馬篇-6章1 ★ 須坂が拓馬たちに友好的に接してくれた日の放課後、拓馬はヤマダとともに帰宅した。校門を出てまもなく、例の金髪とその手下の刈り上げの少年と出くわしたが、大した騒動にはならなかった。彼らは偵察に… 短縮版拓馬 長編拓馬
短縮拓馬篇-3章◆拓馬視点★ 体育祭は例年通りのにぎわいで、無事に終わった。その後の授業日の放課後、拓馬のもとに三郎がやってくる。「これから空いているか?」「やることはないけど……」「ならば好都合! 折り入ってたのみた… 短縮版拓馬 長編拓馬
短縮拓馬篇-3章2 ★ シズカの狐は幽霊と似た存在だ。それを見える者はシズカと、拓馬の父と、そして拓馬。普通の人には見えず、狐がなつく対象であるヤマダは狐を見れない。それゆえ拓馬は彼女に狐のことを伝えておいた。動… 短縮版拓馬 長編拓馬
短縮拓馬篇-2章3 ★ 今日は授業が午前中で終わる土曜補習。一日の余暇時間が多い日ゆえに、生徒らは活気づく──のが通例だった。拓馬が登校したところ、教室内には異質な空気がただよう。同級生たちが不安そうに話し合って… 短縮版拓馬 長編拓馬
クロア篇のあとがき 約20万字の読了、おつかれさまでした。前のあとがきで立てた予定では、もっとはやくにクロア篇の投稿が終わると考えていました。でも伸びました。原因は当初の見込みよりだいぶ文量が増えたことです。も… クロア 後書き
クロア篇-終章* ダムトは町中の掲示板が見える場所で張りこんでいた。はじめは掲示板のまえ通りがかった数人が、掲示物をちらりと見た。なんでもないお知らせの紙や広告がそこにある、とばかり思っていた人々が、次第に… クロア 長編クロア
クロア篇-終章6 賊の襲撃があった翌日、賊の捕縛に功労のあった者をいたわる祝勝会が開かれた。大飯食らいのリックを考慮し、大量の食事が用意される。またしても料理人たちは過重労働に悲鳴をあげたそうだが、これが最… クロア 長編クロア
クロア篇-終章5 賊の掃討があらかた片付き、町の上空をただよう飛兵の動きは緩慢になった。征伐から帰還した騎兵も町中の巡回にあたる。そのおかげか、飛獣で逃走をはかった賊六名のほか、町中で二人の賊の捕縛に成功す… クロア 長編クロア
クロア篇-終章4 青紫色の飛竜はなにをするでもなく、どの飛獣よりも高い位置にいた。クロアはその騎乗者が二人いるのを認める。大男の魔人とその妻である。二人はクロアにとって、実の両親だ。「高みの見物をしにきたの… クロア 長編クロア
クロア篇-終章3 クロアはタオの飛竜と並行して空を駆けた。クロアとダムトが騎乗するベニトラは自身の前方に風よけの障壁を張り、高速移動に際する騎乗者の負荷を減らした。それは飛竜も同様だ。飛竜は以前、姿を隠す効… クロア 長編クロア
クロア篇-終章◇ 工房の町は狂乱に陥っていた。施療院の不審火から始まり、文化会館で小規模な爆破が起きた。その対応に官吏が手間取る隙に乗じ、暴徒が略奪行為を働く。あまりに短時間に多発したことから計画的な犯行だ… クロア 長編クロア
クロア篇-終章2 伝え虫を追跡する者のうちには、クノードとタオの飛獣のほか、リックとフィルの二人組もいた。リックたちは領主からの待機の命令を聞かなかったのだ。魔人が人間の言うことを兵隊ばりに遵守するなどとは… クロア 長編クロア
クロア篇-終章1 隣国の領主はクロアたちの出兵を許可してくれた。許可ついでに援軍を出そうか、との提案もしたそうだが、事が事だけに第三者の介入は不適切だとクノードは判断し、遠慮した。 翌日、クロアたちは再び武… クロア 長編クロア
クロア篇-10章7 翌日、賊討伐に関する会議が開かれた。最大の敵である魔人の対策はできたとクノードが発表する。魔人の所望する女性はいかような人物か、と官吏が関心を示した。クノードがその人物の入室をうながすと、… クロア 長編クロア
クロア篇-10章6 クロアは母がアンペレ公夫人になるまでの経過を知り、言いようのない感情に襲われた。フュリヤの行動は公正さに欠ける。彼女が遠因となって、賊の掃討が阻止された現状もある。それらを踏まえれば母を「… クロア 長編クロア
クロア篇-10章5 フュリヤの生まれ里は剣王国の、森林豊かな地域だった。木の伐採と薬草採取が収入源になる村にて、フュリヤとその母はよそ者としてひっそり暮らしていた。母子と村人との交流はかんばしくなかったが、村… クロア 長編クロア
クロア篇-10章4 ヴラドの館を来訪した三人はタオの飛竜に乗り、アンペレの町へ帰還した。行きと逆順をたどり、町中で降りてから屋敷へ行く。ただし出かけるときとはちがい、クロアは姿を隠さずにいた。今宵の外出を周囲… クロア 長編クロア
クロア篇-10章3 クロアが抱えていた猫がむずがり、床へ下りた。クロアは手中の温もりを失う。自身の両腕をつかむことで、自身のさびしさをまぎらわせる。「わたしが、魔人の娘……」 はじめて知ったことだ。それでも突… クロア 長編クロア
クロア篇-10章2 「どういう、こと?」 クロアは答えを聞きたくない問いをつぶやいた。明るい茶色の兎が「そのまんまの意味」と無邪気に切り捨てる。「この子どもを抱いてる人、ヴラドが捜してる女性なの」「ちがうわ。だ… クロア 長編クロア
クロア篇-10章1 他国にある館の魔人の住処に到着したクロアは飛竜から降りた。屋内は明るいため、何者かが館にいるとうかがい知れる。クロアは魔人がいるのではないかと思い、すぐに玄関へ突入する気にはなれなかった。… クロア 長編クロア
クロア篇-9章7 夕食を終えたクロアは自室で休んでいた。クロアのあらたな招獣はいま、マキシに預けてある。その様子を見に行こうかな、とぼんやり考えたころ、扉を叩く音が鳴った。音の出所は隣室のレジィの部屋ではな… クロア 長編クロア
クロア篇-9章6 会議終了後、クロアは平常通りに執務室で昼食をとった。自室で食べてもよかったが、午前にできなかった事務作業を食後すぐにこなしたかった。出兵のせいで疲れたからと言って後日に回してもよかったが、… クロア 長編クロア
クロア篇-9章5 一行はアンペレの町に着いた。クロアはベニトラの背に担がれていた白い魔獣を抱える。猛獣の姿のベニトラを町中に入れては住民が怯えてしまうため、ベニトラには愛らしい幼獣に変じてもらう。太い足の猫… クロア 長編クロア
クロア篇-9章4 白い魔獣はリックの提案に乗った。縛に就いた人間を前足で殴打していく。その制裁は十人いる男たちを二回ずつ倒すことで終結を迎える。二順目になると、魔獣の疲労が積み重なったのか、打撃の勢いが鈍っ… クロア 長編クロア
クロア篇-9章3 山の斜面を駆け抜け、フィルが到着した先にはリックがいた。地中に大部分が埋もれる岩に腰かけ、休んでいる。彼の肉体には外傷がなかった。「リックさん、賊に与(くみ)する魔人と一戦交えたのではなか… クロア 長編クロア
クロア篇-9章2 妖鳥に運ばれるマキシが下りてきた。レジィは妖鳥から離れるが、招術士は自身の招獣に抱えられたままだ。「アゼレダに物理攻撃は効きにくい。まず僕がレジィの招獣と一緒に撹乱しよう。きみはその隙を突… クロア 長編クロア
クロア篇-9章1 クロアが待ちかねた決行の日は予想以上に早かった。最初の作戦会議を行なった翌々日に決定する。即断の要因にはマキシが主張した希少な魔獣の保護があがったが、そのほかにも原因がある。リックの大食ぶ… クロア 長編クロア
クロア篇-8章7 初回の会議をおえた夜。クロアは自室で体操をしていた。いよいよ本格的な戦いにおもむくと思うと、じっとしていられない。全身という全身を自分の思いどおりにうごかせるよう、筋肉をのばしたり関節の可… クロア 長編クロア
クロア篇-8章6 クロアとレジィが会議室を出る。廊下にはなぜかタオが立っていた。「あら、あなたはお部屋を案内されているんじゃ……」「あとで教えてもらう。いまは公女と話がしたい」「かまいませんけど……レジィは… クロア 長編クロア
クロア篇-8章5 魔界育ちの療術士が申し出た外出は受理された。具体的な行き先と日時は官吏に告げず、クロアの都合のよいときに出かけるということで決定する。クロアは当日のうちにでも出かけてよかったのだが、やむな… クロア 長編クロア
クロア篇-8章4 ユネスは私事の話題をやめ、本題に入ろうとした。挑戦者はタオ以外にもいるのだ。「それで、クロア様が連れてきた男は……魔人か?」「おうよ、おめえとやり合えばいいのか?」「あんたはいい。うちのお… クロア 長編クロア