木瓜咲く

拓馬篇-3章◇

畳を敷いた部屋に二人の女性がいる。一人は守るべき娘、一人はその親。二人の近くには白い狐がしずかに座する。だれも狐の存在を気取らぬまま、千変万化の機械に注目した。そこに娘と瓜二つな歌女が映る…

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拓馬篇-2章◆

放課後、椙守は昔なじみの根岸をともない、二階の教室から一階事務所へ向かった。目的の輸送物は園芸用肥料袋十キロを三つ。椙守は根岸と協力し、園芸部の物置まで三往復するつもりでいた。思いがけず、…

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拓馬篇-2章6

昼食後、拓馬とヤマダ二人が教室にもどった。すると拓馬の想定外な人物に話しかけられる。
「根岸、放課後は空いているか?」
 眼鏡をかけた、長身痩躯な男子だ。拓馬たちとは去年から引き続きのクラスメ…

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拓馬篇-2章5

休日明けの昼休み、拓馬は人目につくが人の出入りはすくない中庭にいた。昼食がてらにヤマダと情報共有する目的で、今日は教室を離れた。他言しづらいことも話すつもりだからだ。
 この場にはシズカが寄…

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拓馬篇-2章4 ★

補習の夜、拓馬は自室のパソコンの電源を入れた。目的は古典の授業の予習をすることと、知り合いと連絡をとること。連絡相手は他県に住む寺の人で、現役の警官だ。なにかと厄介事を抱えがちな拓馬にとっ…

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拓馬篇-2章3 ☆

3
 本日は授業が午前中で終わる土曜補習。平日より早く放課になる。その開放感により、生徒らは活気づくのが常だった。しかし拓馬がいつも通りに登校すると、室内に異質な空気がただよっていた。話す生徒…

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拓馬篇-2章◇ ★

日が完全に沈んだ頃、パーカーを着た少年が住宅街を走った。これは彼のトレーニングだ。鍛えた体は異性にもてはやされる、という思想のもと、少年は自身を研磨した。
 少年はふと足早に道行く者を見つけ…

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25-4-20.旧ブログからの引っ越しリンク公開。目次記事のリンクは未修正。お品書きだけは早々に直します。

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