習一篇草稿のあとがき - 木瓜咲く

習一篇草稿のあとがき

2018年12月27日木曜日

後書き 習一

この物語はながらく未完のままでいました。
自前のテキストデータによると、2017年9月から放置していたものです。
ほかのデータでは同年1月に仮の完成稿がありました。当時の自分はその結末を不採用にしていました。
そのことに気付くのは終章下を書き上げたあとです。
それまで没にしたシーンを書いたこと自体を忘れていました。その没案を公開する予定はないです。絶対に今回書いたもののほうが完成度が高いです。

紆余曲折あって、今月になって最終的な結末部分を着手&完走できました。
とは言っても筋書はほとんど仕上がっていた作品です。
いわば土台があった状態です。文字数にして5千字。そこから終章下は最終的に1万字になりました。
このプラス5千字の8割がたは、説明が不親切な箇所の補填に費やしました。
自著のウィークポイントは説明不足だと思います。
たとえば「AだからB、BになるからC」といった過程があるとして、
それを「AゆえにC」のように、途中経過をすっ飛ばす傾向があるのです。
ふだんの日常会話でも起きるので、言葉には不自由しています。
拓馬篇がかなり長くなった要因も、合間の描写や解説が足りないところをおぎなったせいかと思います。
自分の弱点をわかっていても、書いてる最中は言葉の不足に気付きません。
あとで見直すとはじめて「ここわかりにくいなぁ」と冷静になれます。ダブルチェックをひとりでやっていてもミスが出やすいのと同じ理屈でしょうね。

土台の肉づけにくわえて、最後のシーンをひねり出すのに、執筆時間にして9時間かかりました。
土台がなかったらその倍以上かかったかもしれません。
今回は加筆する箇所をラストに絞ったおかげで、やっと完成できました。
これがラストを完結させないまま全編手直ししたり、新規に作ったりすると、そちらの作業に力を削いでいった結果、結末まで書けなくなることが多々あります。
すんなり最初から最後まで書けた作品はいまのところありません。なにかしら中断をはさんでいます。
拓馬篇も、書こうと思い立ってから初期の完成(16万字程度)まで4年くらいかかっていました。
これだけ時間がかかる原因は自分が小説を書き慣れていないからだと思います。数をこなすしかないですね。

次の投稿作品はすでに完成している異世界話です。投稿を予定していたものはまだできないので、その代打です
こちらはいろんな意味で、いままでの作品とはガラっと雰囲気が変わります。
いまある二作は重くて複雑でした。それにくらべたら難しくなく、明るい内容です。まったく闇がないわけじゃないですが。
来月から一話ずつ公開していきます。こちらは三か月で完投する予定です。
なので「一話ずつ追っていくのはめんどうだ」という方は来年の三月~四月あたりにまたお越しください。
きっとまとめ読みができる程度には投稿してあると思います。



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25-4-20.旧ブログからの引っ越しリンク公開。目次記事のリンクは未修正。お品書きだけは早々に直します。

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