2018年2月27日火曜日 拓馬篇－3章4 拓馬は走っていた。学校のトラックを一周半。それが自身に任されたメドレーリレーでの走行距離だ。 このリレーは男女別、学年ごと、かつクラス対抗で行なう。各学年に四クラスあるので、一度に走る生徒… 拓馬 長編拓馬
2018年2月24日土曜日 拓馬篇－3章3 ★ 若い英語教師が昏倒した日から十日あまりが経った。その間、拓馬はあることに気付いた。ヤマダを見守る狐が、いなくなった。これはおそらく、シズカが狐にあらたな指示を出したせいであろう。拓馬はその… 拓馬 短縮版拓馬 長編拓馬
2018年2月23日金曜日 拓馬篇－3章2 ☆ 休みが明け、拓馬は中間テストの真っ只中にいた。最後の科目は拓馬の苦手とする古典だ。この時限の試験監督は銀髪の英語教師。彼は教卓の椅子に座っていた。その教師がやおら席を立つ。彼は教室の後方へ… 拓馬 長編拓馬
2018年2月22日木曜日 拓馬篇－3章1 五月の連休がじきに終わろうとする日、拓馬は家族と交代制で担当する犬の散歩をした。引き連れる犬は白黒の長毛種のオス、大きさは中型だ。はためにはボーダーコリーによく似ているが、一応雑種犬である… 拓馬 長編拓馬
2018年2月21日水曜日 拓馬篇－3章◇ 畳を敷いた部屋に二人の女性がいる。一人は守るべき娘、一人はその親。二人の近くには白い狐がしずかに座する。だれも狐の存在を気取らぬまま、千変万化の機械に注目した。そこに娘と瓜二つな歌女が映る… 拓馬 長編拓馬
2018年2月18日日曜日 拓馬篇－2章◆ 放課後、椙守は昔なじみの根岸をともない、二階の教室から一階事務所へ向かった。目的の輸送物は園芸用肥料袋十キロを三つ。椙守は根岸と協力し、園芸部の物置まで三往復するつもりでいた。思いがけず、… 拓馬 長編拓馬
2018年2月12日月曜日 拓馬篇－2章6 昼食後、拓馬とヤマダ二人が教室にもどった。すると拓馬の想定外な人物に話しかけられる。「根岸、放課後は空いているか？」 眼鏡をかけた、長身痩躯な男子だ。拓馬たちとは去年から引き続きのクラスメ… 拓馬 長編拓馬
2018年2月6日火曜日 拓馬篇－2章5 休日明けの昼休み、拓馬は人目につくが人の出入りはすくない中庭にいた。昼食がてらにヤマダと情報共有する目的で、今日は教室を離れた。他言しづらいことも話すつもりだからだ。 この場にはシズカが寄… 拓馬 長編拓馬
2018年2月5日月曜日 拓馬篇－2章4 ★ 補習の夜、拓馬は自室のパソコンの電源を入れた。目的は古典の授業の予習をすることと、知り合いと連絡をとること。連絡相手は他県に住む寺の人で、現役の警官だ。なにかと厄介事を抱えがちな拓馬にとっ… 拓馬 短縮版拓馬 長編拓馬
2018年2月4日日曜日 拓馬篇－2章3 ☆ 3 本日は授業が午前中で終わる土曜補習。平日より早く放課になる。その開放感により、生徒らは活気づくのが常だった。しかし拓馬がいつも通りに登校すると、室内に異質な空気がただよっていた。話す生徒… 拓馬 長編拓馬
2018年2月3日土曜日 拓馬篇－2章◇ ★ 日が完全に沈んだ頃、パーカーを着た少年が住宅街を走った。これは彼のトレーニングだ。鍛えた体は異性にもてはやされる、という思想のもと、少年は自身を研磨した。 少年はふと足早に道行く者を見つけ… 拓馬 短縮版拓馬 長編拓馬