習一篇-5章2 習一は外気の熱にうだりながら、黒灰色のシャツを見失わないように歩いた。銀髪の教師は進行方向を見つつも習一を置き去りにしない歩調を保つ。現在の二人は人々の喧騒がはげしい場におり、足音をたより… 習一 長編習一
習一篇-5章1 習一たちは午後も図書館に居続けた。習一は残る五教科の理科と社会科のうち、教科書を持参した政治経済に苦戦する。教科書にない作文の解答を求められてつまづいたのだ。機械的に教科書の説明を抜粋して… 習一 長編習一
習一篇-4章8 習一は喫茶店で腹いっぱいに朝食を食べた。同伴者が栄養不足な習一のため、と言って彼の分の肉とパンが半分ばかし習一に渡り、習一は予想外の食事量を摂らされた。教師が分けてくれた食べものはどれも美… 習一 長編習一
習一篇-4章7 銀髪の教師が飲食店に入る。入店時、ちりんちりんという鈴の音が鳴った。その音は入口の戸の上部から聞こえてくる。習一も店へ入り、戸を見上げてみると、木製の戸の上部に戸当たりがある。戸当たりの棒… 習一 長編習一
習一篇-4章6 「さっきの女の子はどこへ行ったんだ?」「この町のどこかにいると思います」 習一を起こしにきた少女はすでに別行動をとっている。予想範囲内のこととはいえ、習一は釈然としない。「オレとすこし話した… 習一 長編習一
習一篇-4章5 習一が起きたとき、掛布団の上に寝そべっていた。室内はあかるく、日はすでに上がっている。いまは何時だろう、とうつろな目でベッド棚にある置き時計を見たところ、針は七時半を指していた。朝一の授業… 習一 長編習一
習一篇-4章4 4夜に帰宅 習一は実家に到着した。まずは家門の外から家の様子をさぐる。居間には電灯が点いている。家主はもう帰宅した頃か、妹は学習塾に行っていて家にはいないのだろうか──と習一は家族の所在を考… 習一 長編習一
習一篇-4章3 習一は喫茶店に居続けた。時間を経るごとに店内を行き交う人が替わっていく。客の顔ぶれが変化するたび、自分が店の利益にならない存在であることを察した。 空席が目立つ時間帯は習一のような客はいて… 習一 長編習一
習一篇-4章2 「そのときのおれは地面に倒れてて、オダさんがやられるとこを直接見れてなかったんスけど、ほかの二人は現場を見てました。だからあいつら、おれよりずっとビビってるみたいで」 うつむいていた田淵が上… 習一 長編習一
習一篇-4章1 終業式を終えたあと、習一はどの生徒より早く校舎を離れた。外で待っている銀髪の少女と早々に合流しておこうと考えたからだ。真夏の真昼間の外で、長時間の待機は過酷である。熱気の苦手な習一ならば一… 習一 長編習一
習一篇-3章7 習一はサンドイッチのうちツナ入りのものをはじめに食べた。マヨネーズであえたツナとしゃきしゃきしたレタスの食感がある。味そのものはありふれたもののように感じる。だが口の中に旨みが染みわたった… 習一 長編習一
習一篇-3章6 窓を叩く音が鳴った。物音で起こされた習一は窓を見る。昨日に引き続き、またも銀髪の少女が窓の縁にいた。あの調子だと今後も窓が彼女の玄関口になりそうである。��鍵、開けとくか?) いまのところ… 習一 長編習一
習一篇-3章5 習一は昼食を食堂で食べた。昼休みがもはや終わりにちかづいていたせいか、盛況なイメージのある食事処はすいていた。 その後の習一は授業の終わりまで座席に居ついた。途中で授業を抜ける選択もあった… 習一 長編習一
習一篇-3章4 習一は教室を出た。目下の移動先は校舎の外である。おそらく外に、今朝、習一を学校へ導いた少女がいる。彼女は習一の昼食を用意すると言った。だが部外者が校内へ入ることは一般的にはばかられる。事務… 習一 長編習一
習一篇-3章3 午前の授業がおわった。生徒たちは昼食をとりにかかる。その際、習一の席の周りにいた生徒は自席を離れるか、別室へ逃げていった。皆、問題児との関わり合いを避けている。習一はそれが当然のことだとし… 習一 長編習一
習一篇-3章2 「出席日数をかせいだほうがいいんだって」 その提案は銀髪の教師が言い出したのだろう。教職に就く者らしい意見ではあるが──「いまから? 遅刻確定じゃねえか」「ケッセキよりはチコクがいいんでしょ… 習一 長編習一
習一篇-3章1 光葉と名乗る男が現れた翌日、習一は退院となる。先日もらった花束は結局家へ持ち帰ることにした。習一としては花なぞ余計な荷物になるだけだと思うが、院内で花束を捨てられる場所が見つからず、家で処… 習一 長編習一
習一篇-2章7 習一は明日には退院である。この病棟へくることはもうない。これで見納めだと思い、内部の様子を散歩ついでに見てまわった。 壁にかかった油絵の絵画を鑑賞したのち、片側一面がガラス窓で覆われた廊下… 習一 長編習一
習一篇-2章6 次の日も習一は空調のととのった病棟内で運動と休憩を繰り返した。散歩をしたのちに寝台でクールダウンし、柔軟体操をする。そういったサイクルをこなすうちに疲れが出てきて、習一は横になった。床頭台… 習一 長編習一
習一篇-2章5 入浴後、習一は寝台の上で一休みした。することもないので借り物の電子端末を操作する。昨夜から端末に内蔵されたパズルゲームでちょくちょく遊んでおり、その続きにいそしもうかとした。だがまだ電子書… 習一 長編習一