木瓜咲く

習一篇草稿-4章

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 正午を過ぎたころ、習一たちは動物を見終えた。近くの公園に行くと手ごろな木陰に銀髪の少女が待機していた。二メートル四方の敷物の上にバスケットと水筒、そして彼女が常用するリュックサックがある…

習一 習一篇草稿

習一篇草稿-3章

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 習一は外気の熱にうだりながら、黒灰色のシャツを見失わないように歩いた。銀髪の教師は進行方向を見つつも習一を置き去りにしない歩調を保つ。朝、ともに歩いた時の速度を正確に覚えたのか。あるいは…

習一 習一篇草稿

習一篇草稿-2章下

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 掛布団の上に寝た習一は薄く目を開けた。日はもう上がっている。いまは何時だろう、とうつろな目でベッド棚の上の置き時計を見る。針は七時半を指す。次に窓の外を眺めた。青い空に浮かぶ白い雲同士が…

習一 習一篇草稿

習一篇草稿-2章上

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 習一は授業の終わりまで座席に残った。久々の学校の風当たりと病み上がりの体力の乏しさゆえに、放課後は疲労が蓄積する。寄り道せずに帰宅し、体を洗ったあとは自室で休んだ。食欲はわかず、そのまま…

習一 習一篇草稿

習一篇草稿-1章

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 わずかにオレンジ色の入った白い壁。それが天井だとわかるのに幾らか時間がかかった。無心になじみのない景色を眺めるうちに、男の声が聞こえた。
「目が覚めてくれたね。これで一安心できる」
 声には…

習一 習一篇草稿

習一篇草稿-*

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 街灯が照らす夜道に男がいた。彼の足元には地に伏す少年もいる。少年はほんの少し前、男と一悶着を起こした。おもな非は少年にあったが、男の要求が正当だとは言えなかった。
 男が少年の口に手をあて…

習一 習一篇草稿

習一篇に関連する設定

地理状況は拓馬篇と同じ。
雒英高校
習一が所属する高校。学校名はラクエイと読む。
��おもに校長が)自由な才穎高校とは反対に保守的な学校。
地域の才子才女があつまる進学校でもある。
勉強第一な校風だが…

習一 設定 目次・説明

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25-4-20.旧ブログからの引っ越しリンク公開。目次記事のリンクは未修正。お品書きだけは早々に直します。

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