木瓜咲く

クロア篇-6章1

クロアはダムトからもらった飴のおかげで元気が多少もどってきた。彼の付き添いは地下牢までにしておき、クロアは体を洗いに向かう。すぐにでもねたいくらいだったが、今日はいろんなところへ出かけたの…

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クロア篇-5章7

地下牢には収監した者を監視する官吏のほか、牢屋が持ち場でない女性官吏がいた。牢の前でかがむ女性の髪は桃色。やや幼い顔立ちといい、場違いな明るい雰囲気をかもした。
「ああ、クロアさまたちもおい…

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クロア篇-5章6

物腰の柔らかい戦士が退室した。ダムトはルッツが使用した茶器を片付ける。クロアは自身に配られた茶を飲みながら、雑務中の従者の顔色をうかがう。
「ルッツさんはどんなお方だと予想したの?」
 クロア…

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クロア篇-5章5

クロアは白髪の戦士に礼がしたいと申し出た。彼は「それがしは療術を少々お掛けしたまで」と辞退しそうな雰囲気を出したが、クロアから視線をはずしたのちに承諾した。みなそれぞれの飛獣に乗り、姿を消…

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クロア篇-5章4

クロアはトンボの案内にしたがい、人通りがすくない小道まで来た。地上には水色の頭が見える。クロアはダムトと合流するまえに、騒がしい鳥を解放した。鳥は捕獲者に立ち向かってくるかと思ったが、来た…

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クロア篇-5章3

クロアはベニトラに騎乗したまま町の上空をぶらついた。足の下には夜景が広がる。普段は見られない景色だ。希少価値のあるものを観覧するうちに、高揚感に満ちあふれた。
「町の上を飛ぶの、結構いいわね…

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クロア篇-5章2

透明な朱色の飛獣がすいっと屋敷の正門を越えた。いよいよ町中での戦士捜しだ。町灯が照らす大通りには人影が多く行きかっている。彼らの風貌がどんなのか、クロアは目をこらしてみるものの、よくわから…

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25-4-20.旧ブログからの引っ越しリンク公開。目次記事のリンクは未修正。お品書きだけは早々に直します。

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