拓馬篇前記-新人5 イオという娘は教師を目指しているのだと大力が説明した。彼女はまだ高校生。いずれ教師業に就く際の参考として、妹の圭緒が二人の会話に同席することになった。──というのは建前だ。圭緒は父親がいた… 新人 拓馬篇前記
拓馬篇前記-新人4 「して、貴公はまことに繁沢のもとを離れるのだな?」 繁沢とは男の上司の姓だ。上司とその一家はながらく男とともに過ごしてきた。家族にも近しい存在──とは上司の一家が思っていることだ。「はい。も… 新人 拓馬篇前記
拓馬篇前記-新人3 目前の敵は二人。一人は天井裏に潜んでいた者、一人は廊下にいた者──こちらは一メートル足らずの棍棒を手にしている。 徒手で挑む者はさきほど不発だったハイキックを繰り出した。男は身を屈め、一気… 新人 拓馬篇前記
拓馬篇前記-新人2 男は座布団の上に正座する。ふかふかした座布団だ。座った感触はよいのだが、男は奇妙な感覚を覚える。��下に……だれか、いる?) 気配は畳の下、つまりは床下にある。何者かがいるであろう位置は座… 新人 拓馬篇前記
拓馬篇前記-新人1 広大な瓦屋根の塀が続く。いったいどれだけの敷地面積があるのだろう、と考えながら、一人の男が黒い車の後部座席で鎮座していた。一八〇センチ以上ある身であっても車内はゆったりとした空間だった。 … 新人 拓馬篇前記
拓馬篇前記-校長5 羽田校長は八巻の見舞いから学校へもどると、さっそく大力会長に電話をかけてみた。大抵は彼の部下に繋がる。今回も事務員か秘書かは知らぬ女性が出て、今日は会長と話はできないと断られた。『会長のお… 羽田校長 拓馬篇前記
拓馬篇前記-八巻5 「──と、いう次第です」 八巻はギプスで包まれた左足をクッションの上に投げ出しながら、自身の負傷の経緯を語り終えた。聞き手は校長。八巻が想定外の骨折をしてしまい、入院を継続するという連絡を受… 拓馬篇前記 八巻