8月 2018 - 木瓜咲く

2018年8月26日日曜日

拓馬篇-終章3 ★

3
 シドが才穎高校へ再就任する方向で話が落ち着いた。ヤマダはさっそく「いま校長に言ってみたら」と催促するが、教師はこばむ。
「いえ、まずは双方の疑問を解消しましょう。そのうえで貴女たちが私をそ…

拓馬 短縮版拓馬 長編拓馬

2018年8月23日木曜日

拓馬篇-終章2 ★

飲食店への集合時刻は午前九時。拓馬はその五分前に到着した。店内を見回したところ、四人から六人掛け用のソファ席に、ヤマダと銀髪の二人が向かい合っていた。
 三人がすわるテーブルにはコップが三つ…

拓馬 短縮版拓馬 長編拓馬

2018年8月22日水曜日

拓馬篇-終章1 ★

はた迷惑な騒動が鎮まった日の夜、拓馬のもとにシズカの連絡が入った。これまでの出来事について犯人みずからが話すという。そのため、ヤマダとともに話し合いの席を設けてほしいとの依頼だ。その会話は…

拓馬 短縮版拓馬 長編拓馬

2018年8月18日土曜日

拓馬篇-終章◇

「──ほんとうに、それでいいんですね?」
 鞄を肩から提げた異人が、寝台にいる老爺にたずねた。寝台上の座椅子の背もたれによりかかる老爺は「はい……」と諦観の面持ちで返答する。
「この老いぼれの怨…

拓馬 長編拓馬

2018年8月12日日曜日

拓馬篇-10章◆

シズカは学校内を歩いた。同伴者は常人には見えない姿でいる異界の生き物の二人。ひとりはさきほどまで敵対した者の一味である少女。もうひとりはシズカとは古い友人にあたる男性。彼は少女の仲間と顔見…

拓馬 長編拓馬

2018年8月7日火曜日

拓馬篇-10章6 ★

シズカと拓馬は壇上へ向かう。壇上にてヤマダが演台にもたれかける様子を拓馬は記憶していた。いま見てみると彼女は壇上で横たわっている。
「あれ? あいつ、体勢が変わってるような……」
 拓馬たちが…

拓馬 短縮版拓馬 長編拓馬

2018年8月6日月曜日

拓馬篇-10章5 ★

シズカはヤマダのいる壇上へ駆ける。その進路に、長身の男が立ちふさがる。彼もシズカの作戦は予想がついているのか、シズカの進行をはばもうとした。
 シズカが呼び出した猿が、全身を使って敵の足にま…

拓馬 短縮版拓馬 長編拓馬

2018年8月5日日曜日

拓馬篇-10章4 ★

「It's so great!」
 壇上より、拍手とともに称賛の声があがった。壇上の演台の奥には笑みをたたえた銀髪の教師が立っている。いつもの黒シャツに黄色のサングラスを身に着けた格好…

拓馬 短縮版拓馬 長編拓馬

2018年8月3日金曜日

拓馬篇-10章3 ★

拓馬は狐を抱え、職員室前を通り過ぎた。ヤマダを置いてきた空き教室へもどる道中、またも化け物連中が出現する。ただし一体二体がちらほら通せんぼする程度だ。その脇を危なげなくすりぬけて行った。
�…

拓馬 短縮版拓馬 長編拓馬

2018年8月3日金曜日

拓馬篇-10章◇ ★

ヤマダが目を開けた。どこかの建物の天井が視界に映る。それがなんの建物なのかわからず、ぼーっとした。
 一秒一秒を経るごとに、寝起きのヤマダは直近の記憶がよみがえっていく。この場は異質な空間だ…

拓馬 短縮版拓馬 長編拓馬

2018年8月2日木曜日

拓馬篇-10章2 ★

防音部屋のような静寂さの中、拓馬は自分のすべきことを思い悩む。
��シズカさんを待つにしても、ぼーっとしているわけにいかないよな)
 この場でやれること。それは体育館の扉に設置してあった最終問…

拓馬 短縮版拓馬 長編拓馬

2018年8月1日水曜日

拓馬篇-10章1 ★

拓馬とヤマダは無口な仲間を連れて、蜘蛛がねぐらとする校舎にもどった。二階へ続く階段は依然として極太の白い糸で装飾されている。これが大蜘蛛の縄張りだ。その範囲は二つの校舎をつなぐ連絡通路には…

拓馬 短縮版拓馬 長編拓馬

お知らせ

25-4-20.旧ブログからの引っ越しリンク公開。目次記事のリンクは未修正。お品書きだけは早々に直します。

検索

最新記事

  • 習一篇-5章2

     習一は外気の熱にうだりながら、黒灰色のシャツを見失わないように歩いた。銀髪の教師は進行方向を見つつも習一を置き去りにしない歩調を...

  • 習一篇-5章1

     習一たちは午後も図書館に居続けた。習一は残る五教科の理科と社会科のうち、教科書を持参した政治経済に苦戦する。教科書にない作文の解...

  • 習一篇-4章8

     習一は喫茶店で腹いっぱいに朝食を食べた。同伴者が栄養不足な習一のため、と言って彼の分の肉とパンが半分ばかし習一に渡り、習一は予想...

  • 習一篇-4章7

     銀髪の教師が飲食店に入る。入店時、ちりんちりんという鈴の音が鳴った。その音は入口の戸の上部から聞こえてくる。習一も店へ入り、戸を...

  • 習一篇-4章6

    「さっきの女の子はどこへ行ったんだ?」「この町のどこかにいると思います」 習一を起こしにきた少女はすでに別行動をとっている。予想範...

QooQ