6月 2018 - 木瓜咲く

拓馬篇-7章2 ★

「その子に手を出すの、なしね」
 ノブの友人──崔俊という中国人──が立ち上がる。一見普通の中年男性だが、その体は図抜けてタフかつ身軽だ。大男はぐったりするヤマダを寝かせ、彼女から離れる。
「……

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拓馬篇-7章1 ★

時刻は夜の九時頃。ヤマダの作戦を実行するにあたり、拓馬たちは以前に不良と格闘した公園にきた。連中はあれ以来、公園に現れていない。一度学校の近辺を張りこまれたこともあったが、それから目撃情報…

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拓馬篇-7章◇

廊下の喧騒が薄らいでいた。教室と廊下にいる生徒がへってきているのだ。多くの生徒は部活をしに行ったか、役員の務めを果たしているか、帰宅したか──そんな雑念が、廊下で勉学中の椙守の思考にのぼっ…

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拓馬篇-6章6 ☆

休み明けの放課後、拓馬は数人のクラスメイトとともに空き教室へ移動した。集合目的はヤマダの大男捕獲作戦を聴講すること。同席者にはヤマダが協力を打診した須坂もいる。意外にも、須坂はあっさり承諾…

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拓馬篇-6章◆

美弥とヤマダは銀髪の教師の部屋へ訪れた。美弥はもともと彼の部屋番号を知っており、部屋主の案内がなくとも訪問できた。ヤマダとの話し合いの場はここでも自室でもかまわないのだが、せっかくの機会な…

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拓馬篇-6章◇

日曜日の朝九時すぎ、ヤマダは学校関係者が居住するアパートへ訪れた。手には自家製の焼き菓子の入った紙袋がある。これは美弥への贈りもの。依頼の報酬兼訪問に対する詫びのつもりだ。手土産を理由に門…

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拓馬篇-6章5 ★

シズカの返答は迅速だった。引き綱をつけたトーマがもどってきたとき、機器の受信反応があった。拓馬はただちに内容を確認する。
 意外なことに、シズカはヤマダの無謀な計画に同意した。
『大男さんは紳…

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拓馬篇-6章4 ★

早朝、拓馬はアラーム音で覚醒した。部屋はまだすこし薄暗い。一瞬、どうしてこんなはやくに目覚ましの設定をしたのかわからなかった。寝返りをうっていると、昨日自分がすっぽかした家事があることを思…

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拓馬篇-6章3 ★

1
 拓馬がめざめたのは夕飯時だった。家族はさきに夕食をとっており、寝過ごした拓馬も早々にくわわる。今夜ひかえたシズカとの通話に専念できるよう、夕飯を早めにすませた。ほかの雑事もおわらせるため…

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25-4-20.旧ブログからの引っ越しリンク公開。目次記事のリンクは未修正。お品書きだけは早々に直します。

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