5月 2018 - 木瓜咲く

拓馬篇-6章2 ★

まぶたを閉じた視界にモノトーンの景色がひろがる。拓馬が真っ先に視認したものは、机に向かう男性の姿だ。周囲にも机と椅子がならぶ中、男性はひとり、開いた本を見たり紙になにかを書いたりしていた。

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拓馬篇-6章1 ☆

拓馬はヤマダと別れた。自宅にたどり着くと玄関口に猫が座っている。全体の毛皮は白いが顔のまん中や耳先、足先が黒い。シャム猫のような柄だ。ヤマダがこの場にいたら、即行でかまいにいきそうである。

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拓馬篇-5章6

ヤマダの絞め技に苦しむ金髪が「おい!」と第三者に声をかける。
「タブチ! やれ!」
 タブチとよばれた刈り上げは「いいんスか?」と挙動不審だ。金髪は声を荒げる。
「確認することか! とっととオレ…

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拓馬篇-5章5

本日の授業がおわった後、ヤマダは千智と一緒に防犯ブザーの貸し出し手続きをしに行った。須坂の話を聞いた拓馬がヤマダにも貸し出しをすすめ、その提案に応じたためだ。ヤマダは「作戦は練ってあるんだ…

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拓馬篇-5章4 ★

拓馬は登校した友人らに挨拶を交わした。いつもは登校時に挨拶される側の拓馬が教室にいるのを、友は大なり小なり不思議がった。
 拓馬にもすくなからずおどろきはあった。早くくる理由がないであろう千…

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拓馬篇-5章3 ★

学校には早朝の部活をしにくる生徒がまばらにいた。けれども拓馬のクラスにはだれもいなかった。普段の拓馬の登校時間帯は、生徒の半数前後があつまるころ。無人の教室を目にするのは、帰宅が遅くなった…

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拓馬篇-5章2 ★

ヤマダが根岸宅を出たあと、拓馬は早々に制服に着替えた。いつもの登校時間より早いが、家にいても落ち着かないので、とっとと登校しようと思った。
 拓馬は食事をしに居間へ入った。居間と一体型になっ…

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拓馬篇-5章1 ★

日がのぼったばかりの早朝、電子音が室内に鳴った。拓馬は寝台で寝ており、うっすら覚醒する。この音は電子メールの通達音。即時返答を要求されるものでない。なので二度寝をしにかかった。だが電子音が…

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拓馬篇-5章X

人間の男性型の同族が人の子を抱えながら歩く。人の子に意識はなく、自身の肉体を同胞にあずけていた。
 同族がねむる人の子に語りかける。
「変わった人間だ……この私をこわがらないとは」
 同族は「あ…

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25-4-20.旧ブログからの引っ越しリンク公開。目次記事のリンクは未修正。お品書きだけは早々に直します。

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